NSXがホンダワークス体制下でル・マン24時間レースにデビューした、1994年の「ホンダ NSX GT2」を忠実に再現したモデルになります。
車体原型はコレクションホールに収蔵されている実車を3Dスキャンし、そこで採取したデータを元に、実車に極力忠実なデフォルメなどを行わないプロポーションを構築いたしました。現存車両と1994年のル・マン24時間参戦車はディテールを追っていくと異なる部分も少なくないため、それらを当時の資料を基に可能な限りリサーチして製品に反映しています。
1994年のル・マン24時間参戦車の特徴として一番大きいのは、1995年のマッシブなオーバーフェンダー仕様とは趣を異にする、スリークで市販車の印象を強く残したナローボディをまとっていることでしょう。
ボディの材質にはレジンを使用していますが、ディテールに関してはたとえばホワイトメタル製のホイールやアルミ削り出しのセンターロック、窓枠にはステンレス製のエッチングパーツに塗装を施した部品を使用するなど、マルチマテリアル構成を採っています。
またレーシングカーの見せどころである、スポンサーロゴやカラーリングなどはデカールと塗装を使い分けて表現していますが、彩色後に上からクリアコーティングを施し、デカールの段差などを研磨して除去した鏡面仕上げとしています。世の中のレースカーのモデルは、パッド印刷やデカールを貼りつけたあとはそのまま、というものがほとんどですので、その美しさや清潔感の違いは数多くのモデルを所有する方ほど実感いただけると思います。
まだまだ拡張予定の弊社のNSX GT2コレクション、コンプリートに挑戦していただれば幸いです。
※アクリルベース、クリアケース付属
1990年にホンダの世界に向けた“技術的広告塔”として役割を担って登場した初代NSX。市販された量産車としては世界初となる、モノコックボディの採用などがそれを大いに物語っています。
そのポテンシャルの高さはモータースポーツファンの間でも注目が集まりましたが、ホンダとしては同車をワークス体制でレースフィールドに引っ張り出すつもりはなかったと言われています。しかし、レーシングドライバーの故・高橋国光氏などの尽力によって、ようやくNSXがホンダワークス体制のもと、モータースポーツシーンに姿を現したのが1994年のル・マン24時間のGT2クラスでした。
市販スポーツカーをべースにした長距離耐久レースカーの製作。そしてル・マン参戦とあって、ホンダはゼロからのスタートではノウハウも足りず、時間がかかり過ぎると判断したのでしょう。そこで彼らはポルシェのレースカー製作およびレース参戦で実績を積んでいたドイツのクレマー(クレーマー)レーシング、イギリスのTCPと手を組んでGT2クラスにエントリーすることを決定します。1994年のル・マンは初参戦とあって完走できれば御の字といったところで、参戦車3台はそれぞれGT2クラスで6位、7位、9位と結果こそ振るわなかったものの、無事完走を果たしています。