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メイクアップのモデルカーはなぜレジン製なのか


レジン製モデルカーが広く認知されるようになったのは、今から30年ほど前のこと。それ以前は少量生産のモデルカーの多くはホワイトメタル・鋳造製でした。一方で大量生産をする場合は、高価な金型を別途製作し、トロトロに溶かした金属を高圧で金型内に注入して部品を成型するインジェクション成型のダイキャスト製が古くから主流となっていました。


3Dプリンター出力原型

話を少量生産に限定すれば、モデルカーの素材としてはレジンとホワイトメタルのふたつの選択肢があり、現在はレジン製が多数派で、ホワイトメタル製はシュリンク傾向にあります。その理由は簡単に言えば、原型製作の “し易さ” にあります。レジンは現在もっとも進んだフェイズでは、3D CADで設計した原型を3Dプリンターで出力する方法がありますが、ホワイトメタルは原型を真鍮を切削して製作する必要があり、時間もコストもかかります。ホワイトメタル製品の原型を製作するには高いスキルが必要で、それはかつて彫金師にも匹敵する技術が必要と言われるほどでした。


ケミカルウッド原型

レジン製モデルカーもかつては原型師が手作業でマスターをスクラッチすることもありましたが、その多くはケミカル(サイコ)ウッドなど、加工のし易い材料が用いられていたこともあり、ホワイトメタル製品の原型よりは製作は容易となります。と、ここまで書くと今日のレジン製モデルカーの製作がデジタル作業の産物とも受け止められかねませんが、実際にメイクアップでは3Dプリンターの出力品がそのまま原型になるわけではなく、例えばパネルラインのスジ彫りや微細な面表現のアールなどは手作業で修正を加えています。レジン製モデルは原型がそのままマスターとなるので、いい意味でデジタルとアナログのシナジーを活用することができます。


手作業によるスジ彫りや細かい造形の修正

ダイキャスト製品などは、そうした微細な面の修正や、ドアラインの深さなどを求めると、高価な金型の方を設計し直す、あるいは金型の方に金属を盛ったり、削ったりとコストも時間も必要となるため、小回りが利きません。そういう意味でも、気に入らない部分を速やかに修正し、なおかつ商品化までの時間を短縮できるということからメイクアップではレジンをミニカーの材質に用いています。また、車体の意匠の一部を変更して、例えば実車の後期型と前期型を作り分けたい、といったバリエーション展開を行う場合も、ダイキャスト製は金型を作り分けたり、また金型の入れ子(コマ)を交換できるように設計する必要があるなど大掛かりな作業が必要となりますが、レジン製の場合は原型の加修も容易なため、かなり小回りの利く対応が可能になります。

実はメイクアップは1980年代後半から1990年代中盤にかけて、ロストワックス製法やプレスで加工した真鍮をボディやフレーム素材に用いたスーペリアモデルというラインの商品もリリースしており、精密なメカニズムを内蔵しつつ、それを覆うボディは薄く実車のような風合いを見せるとあって非常にご好評をいただきましたが、非常に高価な製品となったため、現在は製造を行っていません。良い製品を皆様にお求めやすい価格で提供したい、そんな思いからも現在はレジン製モデルの品質向上に最善を尽くしています。

text : Makoto Ukai

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